田原市立福江中学校

続けることの効用 (秋の夜長に思ったこと)

 私の高校時代のことについてお話したいと思います。大学進学を目指して高校受験の勉強に取り組もうと心に決めて、勉強し、希望校に入学しました。しかし、その高校では野球部の新設運動がおこり、我々1年生の野球部出身者は新設野球部(当時は同好会)への激しい勧誘にあいました。その熱心な勧誘により野球漬けの高校生活がスタートしました。新設だということでそんなにきつい練習はないだろうと、高をくくっていましたが大きな誤りでした。週7日の練習が続きました。当時(昭和50年)の東三河は野球の強豪校がひしめいており、その渦にいきなりわが母校も巻き込まれたのでした。成章高校(昭和47年春の大会に甲子園出場)、福江高校、国府高校(昭和50年夏の大会に甲子園出場)、豊橋工業高校、蒲郡高校などは私学四強とも互角以上に戦える実力校でした。その証拠に中京高校(中京大中京)や名電工高校(愛工大名電)などが豊川高校や福江高校へ練習試合に来ていました。一度だけ豊川高校で中京高校と練習試合をしました。また、福江高校では名電工や長久手高校との練習試合をさせていただきました。

さてそんな中、高校2年生になった時の私の成績は惨憺(さんたん)たるものでした。得意の社会や理科はまだよかったのでしたが、英語、数学は下から数えたほうがはるかに早く、若干得意だった国語も順位は半分以下をさまよう状態でした。「これではいかん」と思っても机に向かえない日々が続いたある日、同級生のある学習法に接することができました。それは①「学習の同時刻化」と②「難問問題集へのチャレンジ」でした。①は毎日夜8時には勉強部屋に入り学習を始める。②は若干得意だった国語の復活のために「旺文社 現代国語問題集」を1ヶ月でやりきることでした。高校2年生の10月から始めました。については来る日も来る日も間違ってばかりでした。しかし、長文を読み、問題に答えることをとにかく続けました。白紙回答はしないという自己ルールを決めて。そして約40日間でやり終えることができました。力がついた実感をえられないまま・・・。一方、はとにかく始めるだけは必ず始めました。そして、2時間は部屋から出ないという自己ルールを加えました。

やがて1月の実力テストが始まりました。数学や英語を犠牲にしてまで取り組んだ国語ができなければ受験計画も大幅に狂います。しかし、国語の問題は難しく、相変わらず問題を読んでも自信をもって答えることはできませんでした。しかし、白紙回答は「なし」で終えることだけはできました。

約1週間後、結果が出ました。何と国語は約400人中30位前後までアップしていたのです。もちろん他の教科は相変わらずでしたが、「やればできる」という実感はもつことができました。それからはこの勉強法を続けています。

 

最近の事ですが。今年になり「文明論之概略」「日本人の西洋発見」「翻訳と日本の近代」「カラマーゾフの兄弟」「白鯨」などの読み応えのある、または読みづらい本を中心に20冊以上読んでいたところ、本を読むペースが上がり、今までの文庫本では物足りなくなっている自分に気付いたのです。これは先ほど述べた高校2年生の頃を思い出させてくれました。やはり、あることをやり続けていくことで「自分が変わる」ことを再発見したのです。

 

みなさん、「継続は力なり」は本当です。読書に限らず、勉強でも運動でも自分が変わることは誰にでもできるはずです。まずはとりあえず始めることです。そして続けてみましょう。結果はおのずとついてくるはずです。

続けることは何か一つでけっこうです。あれもこれも続けることはできませんし、途中でやめて変更することも大切なことを付け加えておきます。

10月12日金曜日に、安全なまちづくり県民運動にちなみ、福江高校の生徒と本校の生徒会のみなさんが街角で防犯活動を行いました。ぜひ、美しい渥美から犯罪がなくなるようにお互いが声をかけあっていきましょう。